仮想通貨税制/FAQの公表について

お金・税金など
悩んでる人
ビットコインとか興味あるけど、税金の計算とか難しそう。
どんな仕組みなんだろう?

こんな疑問に答えます。

新しい資産運用先として最近注目されてきているビットコインなどの仮想通貨ですが、税金の計算はなんだか難しそうでどうしていいか分からなくなってしますよね。

今回は令和元年12月に国税庁から発表された、『仮想通貨の税金計算に関するFAQ』についてご紹介しますね!

この記事でわかること
  • 仮想通貨の取引の中で「利益確定」とみなされる3パターンが理解できます
  • 基本の計算例を確認することができます
  • 仮想通貨の購入金額についての考え方がわかります

利益確定のタイミング(基本の3パターン)

  • 仮想通貨を売却した場合
  • 仮想通貨で商品購入した場合
  • 仮想通貨同士の交換をおこなった場合

仮想通貨を売却した場合

これは購入した仮想通貨を「日本円」などで売った場合です。

 

計算式は

【売った金額】-【BTC1単位の購入単価】×【売った数量】

となります。

 

例えば下記のケースの場合の利益はどうなるでしょうか?

購入時:1BTCあたり50万円で200万円分購入(4BTC購入)
売却時:0.2BTCを11万円で売却

 

~計算~
11万円 - (200万円 ÷ 4BTC)× 0.2 = 1万円

 

こんな感じです。

どうでしょう?それほど難しくはないですね。

では、次のケースはどうでしょうか?

仮想通貨で商品を購入した場合

仮想通貨は物との交換やサービスの支払いにも使えますので、そのような場合です。

計算式は

【商品代金】-【BTC1単位の購入単価】×【支払った数量】

 

今度は先ほどの計算式とは少し変わります。

【売った金額】→【商品代金】に、

【売った数量】→【支払った数量】に変わっていますね。

 

ただ、計算式自体はそれほど難しくなくて、

商品代金 = 売った金額 / 支払った数量 = 売った数量

とみなして利益の計算をするということみたいです。

 

計算例を見てみましょう。

購入時  :1BTCあたり50万円で200万円分購入(4BTC購入)
商品購入時:18万円の商品を購入するために0.3BTCを支払った

 

~計算~
18万円 - (200万円 ÷ 4BTC)× 0.3 = 3万円

 

とこんな感じです。

どうでしょう?少し難しいですかね?

仮想通貨同士の交換をおこなった場合

次は持っていた仮想通貨を別の仮想通貨と交換した場合です。

先に前提条件を確認しておきましょう。

 

購入時    :1BTCあたり50万円で200万円分購入(4BTC購入) → これまでと一緒です。
他通貨に交換時:20XRPを購入するために1BTCを支払った。
なお、取引の時の交換レートは1XRP=3万円

 

計算式は

【XRPの購入金額(=BTC支払額)】BTC1単位の購入単価】×【支払った数量(BTC)】

 

となります。

※ただし、これは最初に買ったのがBTC、交換した他通貨がXRPの場合の計算式です。

 

~計算~

(3万円×20XRP) -(200万円 ÷ 4)× 1BTC = 10万円

 

となります。

ポイントは「売った金額」をどう理解するかですね。

この場合、「売った金額」=「交換通貨の単価×数量」で理解すればOKです。

あとは、元々持っていた通貨の「購入単価」と「支払った数量」が分かれば計算はそれほど難しくないですね。

 

取得価格について

  • 仮想通貨の取得価格
  • 通貨の分裂によって取得した場合
  • マイニング(採掘)により取得した場合

仮想通貨の取得価格

2BTCを200万円で購入した際、550円の手数料を支払った場合のBTCの購入金額はどうなるでしょうか?

答えは、手数料を含めた金額(2,000,550円)が購入金額になります。

 

仮想通貨の取得金額は、その方法により次のように決まっています。(手数料がある場合はそれも含みます)

 

【対価を支払って買った場合】
:購入時に支払った金額

【贈与または遺贈により取得した場合】
:贈与または遺贈のときの時価  ※遺贈:遺言で相続人以外の人に財産をおくること

【通常の贈与、相続などにより取得した場合】
:亡くなった人が選択していた方法で評価した金額

【上記以外の場合】
:その時の時価

 

通貨の分裂によって取得した場合

仮想通貨は開発者の思想の違いなどが原因となって分裂することがありますが、その際の取得金額はどうなるでしょうか?

答えは、取得金額 = 0円 となります。

分裂時点では相場がないことから価値は0円ということみたいですね。

ですので、将来売却するときに、 売却金額 = 利益 となります。

 

マイニング(採掘)により取得した場合

通貨の種類にもよりますが、仮想通貨はマイニング(発掘)という作業で手に入れることができます。

その場合に取得した仮想通貨の扱いは、「個人の所得として所得税の対象」もしくは、「法人の収入として法人税の対象」となります。

この時、マイニングに必要だった電気代などの諸費用は、必要経費として処理できます。

 

その他のFAQ

  • 仮想通貨取引による収入の計上時期
  • 仮想通貨取引の所得区分
  • 仮想通貨取引の必要経費
  • 仮想通貨の評価方法の届出
  • 購入金額がわからない場合
  • 損失が出た場合の取り扱い

仮想通貨取引による収入の計上時期

仮想通貨取引から発生した収入の計上時期は以下のようになっています。

 

原則:売却した仮想通貨の引き渡しがあった日の属する年

例外:売却の契約をした日の属する年(選択による)

 

個人の場合、仮想通貨取引で出た利益は基本的に「雑所得」となりますが、その実態に応じて収入計上する時期を検討することになります。

個人の場合は暦年ですが、法人の場合は決算期がありますので、それを踏まえて計上時期を検討することになります。

 

仮想通貨取引の所得区分

繰り返しになりますが、個人の場合、仮想通貨取引から発生した利益は、原則として雑所得に区分されます。

ただし、仮想通貨取引自体が「事業」とみなされる場合(専業トレーダー)や、仮想通貨取引が事業所得等の基因となる行為に付随したものである場合(事業用資産として仮想通貨を持っており、決済などに利用しているなど)は、事業所得に区分されることになります。

FX(外国為替証拠金取引)は同じ雑所得でも「分離課税」の対象となっています。将来的には仮想通貨取引も「分離課税」になっていくかもしれませんね。

法人の場合は売上(益金)として計上することになります。

 

仮想通貨取引の必要経費

仮想通貨の売却の際に、必要経費として認められるものには以下のようなものがあります。

 

【経費処理してOK!】

・その仮想通貨の取得原価

・売却の際に支払った手数料

 

【必要な支出であると認められる場合はOK】

・インターネットの回線利用料

・スマホやタブレットの回線利用料

・パソコンの購入費用

・書籍の購入費用

 

注意点としては、パソコンなどのある程度金額がするものは1年の経費にはできない場合があること(減価償却資産として処理)と、

個人的な部分は計算上除外する必要があることです。

なんでもかんでもOKという訳ではないってことですね!

 

仮想通貨の評価方法の届出

仮想通貨の取得金額を計算する方法には「総平均法」と「移動平均法」がありますが、仮想通貨の種類ごとに選択するルールになっています。

 

①初めて仮想通貨を購入した場合

②異なる仮想通貨を取得した場合

にはその年分の確定申告期限(原則:翌年3月 15 日)までに、税務署に、「所得税の仮想通貨の評価方法の届出書」の提出が

必要となっています。

 

届出をしない場合、個人は「総平均法」、法人は「移動平均法」となるようですので、注意が必要です。

 

評価方法を変更する場合には、その年の3月15日までに「所得税の仮想通貨の評価方法変更承認申請書」を提出することになっていますので、

提出を忘れていた場合は、こちらの書類を税務署に提出することをオススメします。

書類未提出だった個人が「移動平均法」を採用したい場合など

 

購入金額がわからない場合

① 国内の仮想通貨交換業者を通じた仮想通貨取引

平成30年1月1日以後の仮想通貨取引については、仮想通貨交換業者から次の事項などを記載した「年間取引報告書」が交付されることになっています。

 

② 上記①以外の仮想通貨取引(国外の仮想通貨交換業者・個人間取引)

購入した際に利用した銀行口座の出金状況や、売却した際に利用した銀行口座の入金状況、仮想通貨交換業者が公表する取引相場などから取得価額や売却価額を確認することになります。

なかなかハードル高いです。。

 

③それでもわからない場合の救済策

売却した仮想通貨の取得価額については、売却価額の5%相当額とすることが認められています。

最悪、売った金額の5%を経費にするという処理も認められるということですね。

 

損失が出た場合の取り扱い

これが今の仮想通貨税制のイケてないところです。

取引で損失が発生した場合、給与所得など他の所得から差し引く(通算する)ことができないルールになっています。

また、今年の損失を来年に繰り越すこともできませんので、場合によっては納税の負担が大きくなってしまう可能性がありますので注意したいですね。

 

最後に

仮想通貨税制については、まだ発展途上であり、現時点では様々な問題点が残されているように感じます。

ブロックチェーンは未来の技術であり、まだ始まったばかりです。

今後革新的なサービスもたくさん生まれてくると思いますので、この新しい産業の後押しとなるような税制の仕組みになって欲しいですね!